2011年8月25日木曜日

“東北のアルプス”晩夏の飯豊連峰単独縦走!

飯豊連峰 門内小屋から霧雨の中のご来光

■日時:2011年8月20日(土)~23日(火)
■場所:福島県(新潟県、山形県) 飯豊連峰~三国岳(1,644m)
    種蒔山(1,791m)、 飯豊本山(2,105m日本百名山)
    烏帽子岳(2,017m)、北股岳(2,024m)
    門内岳(1,887m)、地神山(1,849m)
■メンバー:山下(独行)

■ブログをご覧いただいております皆様こんにちは!夏の頂を過ぎ、花やかな夏山になごりを惜しみながらも、さわやかな秋山の到来に胸を躍らせている今日この頃の山下です!
お盆はいかがお過ごしでしたでしょうか?今回は私も夏休みをいただき、東北随一と言われる山塊「飯豊連峰」へ行ってまいりました!

山中ほぼ雨の生憎の天候となってしまいましたが、飯豊の山々のスケールの大きさと深さと厳しさを肌で感じることができ、改めて“山”の価値観と自分の登山観を認識させられる貴重な経験となりました!

■行程

8月20日(土)
10:41発 仙台駅(JR新幹線MAXやまびこ246号 3駅)
11:32着 郡山駅
11:44発 郡山駅(JR磐越西線 13駅)
12:56着 会津若松駅
13:07発 会津若松駅(JR磐越西線・野沢行 3駅)
13:36着 山都駅 路線料金計¥6,090
13:40発 山都駅前(市町村生活バス¥690)
14:05着 “いいでのゆ”にて山都のそば&温泉入浴
       
今回はタクシーにていいでのゆから川入 御沢野営場へ¥4,500
*2011年バスは7月9日~8月15日期間登山口近くの川入まで運行¥930
*タクシーでは山都駅から川入 御沢野営場まで約¥6,500

16:30  幕営



喜多方市 川入 御沢野営場 幕営料¥1,000


マイテント:MSR HUBBA HP
FAST&LIGHT 総重量1.38kgのダブルウォール超軽量テント

バックパック総重量は水抜きで約14kg(3泊4日分の食糧と秋山縦走装備)
最新の軽量山岳ギアの恩恵を受けて大幅な軽量化に成功


8月21日(日) 【日の出4:58 ・・・ 日の入り18:24】 天候 終日風雨
 6:20 御沢野営場(570m)出発
 8:40 横峰(1,334m) 小休憩
10:20 剣ヶ峰
10:30 三国岳(1,644m) 小休憩(三国小屋)
12:30 種蒔山(1,791m)
12:50 切合小屋 中休憩
13:50 草履塚(1,908m)
15:20 本山小屋 小屋泊

昨夜からの雨は上がらず、レイン着用でのスタート…野営場から
林道を約10分で登山口へ


樹林帯の静かな登山道を標高差820m程稼ぎ、古道“長坂”の
終了の目安となる“横峰”ここまでの一般標準時間は約3時間
小休憩後、地蔵山をトラバースし本山への第一の難所“剣ヶ峰”へ


岩陵帯のやせ尾根“剣ヶ峰”を慎重に通過し、登山開始から約4時間強で
主稜線へ雨風ガスにより視界は非常に悪い状況
三国小屋にて小休止の後、種蒔山を早々と通過し切合小屋へ


切合小屋でアウトドア館からのお客様K原さん達と出会い中休憩の後
草履塚を通過し、ご利益があるという姥地蔵、ここから先は神域

~近年まで女人禁制だった飯豊山(飯豊自体が女神のご神体とされていた)
江戸時代禁を破って登った女性が石化されてしまい
姥地蔵として安置されているといいます~


本山への最大の難関とされる“御秘所(おひそ)”特に
今回のような雨風の時は慎重に


悪天候の為、計画していた初日の本山からの展望と御西小屋での宿泊を
変更し手前の本山小屋で本日は終了
これまでの経過あまりにも天候が悪く写真を撮ってもご覧の状況でした
残念…

飯豊縦走前半戦、好天時の展望等は昨年の三浦の報告を御参照下さい!


8月22日(月) 【日の出4:59 ・・・ 日の入り18:23】 天候 風雨後曇り
 6:30 本山小屋出発
 6:50 飯豊山頂(2,105m)
 8:00 御西小屋 小休憩
 9:30 御手洗池
10:30 烏帽子岳(2,017m)
11:20 梅花皮小屋 中休憩
12:20 北股岳(2,024m)
13:40 門内岳(1,887m)
13:45 門内小屋 小屋泊

入山2日目も昨日にも増して雨風が強くたたきつけ10℃の低温
早々と本山山頂を後に…

御西小屋より飯豊連峰最高峰となる“大日岳2,128m”へのアタックを断念
次回リベンジを誓い縦走路を北上
天候の回復を願い連峰中央に位置する北股岳を目指す


天狗岳より入山後初となる待望の展望!遠曇りながらも正面に“烏帽子岳”
左奥に“北股岳”を望む
北東より烏帽子岳へ伸びるクサイグラ尾根と“天狗の庭”から続く稜線
強い風に湧き上がるガスの迫力


大日岳方面を振り返れば北西斜面をものすごいスピードで滑り落ちる
雲の流れ…
本山側は依然天候は悪そうです…


待ち望んだ青空が♪


烏帽子岳、梅花皮岳(かいらぎだけ)を通過し梅花皮小屋にて中休憩
ここで新潟県某高校登山部と出会い顧問の先生の話では同ルートでの
縦走中とのこと、生徒さん達は皆女子ながらもかなり鍛えられている感じで
さすがインターハイ常連校

北股岳山頂直下より梅花皮小屋と梅花皮岳、烏帽子岳を振り返る


北股岳山頂2,024mは再びガスの中…

今回使用している登山用具のご紹介①
バックパック:ノースフェイス/TRANS ANTARCTICA PROFET45
(トランスアンタークティカ プロフィット45 TNF40周年限定モデル)
最大容量70ℓ/重量1,815g/¥29,400

シンプルな構造と登攀用機能を持つ軽量アルパインクライミングパック
1990年に6ヵ国合同で行われた人力での南極大陸横断という
前人未到の挑戦に使用されたTRANS ANTARCTICA EX90の
スペシャルリメークモデル!
三浦雄一郎氏のエクスペディションでも採用されたモデルです


本日の目的地“門内小屋”
管理人さんはもうこの時期では常駐していなく通常の
避難小屋となっています


門内小屋より約10分弱、テン場近くの“門内清水”
赤旗が等間隔に設置してあるので水場までわかりやすくなってます
かなりうまい清水です、十分に水を補給しましょう


今回使用している登山用具のご紹介②

登山靴:トレゼータtreZeta/トップエボTOP  EVO  NV ¥43,050
*靴ひもを変えてます

イタリアの聖地“モンテベルーナ”で発祥、約60年の歴史を誇る
老舗トレッキングブランド
“OUT DRY”ブーティーの完全防水機能に特許技術である
“ナチュラルベンチレーション”機能を搭載し、長時間の歩行でも
ブーツ内温度、湿度を下げる“通気性”を兼ね備えたモデル
今年購入し、富士山、鳥海山、月山、蔵王等で使用しましたが
今回の縦走でも大活躍のお気に入りの一足!

今年はNHKの里山教室ガイドから各山岳ツアーガイドで多忙の
仙台市泉区在住おちゃめで信頼のガイドM-free和田氏もご愛用♪
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門内小屋より“扇の地神”と梶川尾根、左奥に“地神山”を望む


新潟県方面、日本海に浮かぶ“佐渡島”と北に“粟島”の展望


右より“北股岳” “烏帽子岳” 遥か“飯豊本山”の展望
門内小屋にて日没とほぼ同時に就寝


8月23日(火) 【日の出4:59 ・・・ 日の入り18:23】 天候 雨時々曇り
 5:30 門内小屋出発
 7:00 地神北峰
12:00 飯豊山荘

15:53発 飯豊山荘(町営バス南部線¥700)
16:50着 小国駅
17:45発 小国駅(JR米坂線 14駅)
19:11着 米沢駅
19:30発 米沢駅(JR奥羽本線 9駅)
20:14着 山形駅
20:19発 山形駅(JR仙山線快速 13駅)
21:30着 仙台駅 路線料金計¥2,940

門内小屋からのご来光
雲海から出てきた時間はほんの少し、この後すぐ雲の中に消えていきました
最終日もレイン着用でのスタート…


“地神山1,849.6m”から飯豊連峰主稜線最北端
“朳差岳1,636.4m”を望む
*正面の小さな雪渓上


しばらく朳差岳を左目に眺めながら下山を続け“丸森峰”を
7:50に通過、独り歩きの為熊との出合いに気をつけながら
「ほっほーい」と連呼していると…丸森峰よりやや下った所で
背後を熊が通過!登山道を通して熊の足振動が伝わるほど
でしたので親熊か?振り向いたときには藪に消えていったので
その大きさは確認できませんでしたが、さすがマタギの山!

下山の登山道は連日の雨によりかなり歩きにくい状況で足の
運び方に気を配りながらペースを落として安全に下山。

お昼近くに無事飯豊山荘へ到着!


早速温泉!の前に我慢できず“生ビール”を一杯…
落ち着いてから4日分の汗を流しに温泉へ

「熊も傷を癒した」という伝説の湯は茶褐色であたりのやわらかい温泉です
飯豊温泉はその昔、熊が湯で傷を癒しているのをマタギが見つけ、開湯
したと伝えられています


“飯豊山荘”外観

スタッフの方々も大変アットホームで、良い湯と美味しいお食事♪
飯豊山荘の詳細はこちらをクリック♪→飯豊山荘のオフィシャルホームページ


すっかりお世話になった飯豊山荘を後に
町営のバス停は飯豊山荘に隣接しています


バス停のすぐ裏手に“山の神”の石碑があります
それは三つ又のミズナラの前に何時のころからあるのか、それと一体化
したように静かに鎮座しています
この“山の神”はマタギ衆の信仰を集め、狩猟前にはここで豊猟と安全を
願って狩りに出かけるそうです


気さくなバスの運転手さんとお話しながら約1時間程で小国駅へ到着
仙台までは電車を3本乗り継ぎ帰り路へ

久々の電車の旅と深い山の中での生活は、便利になりすぎた日常生活
とはかけ離れ、マタギの方々の精神や飯豊の歴史にちょっとだけ触れる
ことができ、ますます飯豊連峰に魅了されてしまいました…
また近いうちに訪れたいと思います!

今回の縦走で計画していた飯豊連峰最高峰の“大日岳2,128m”と
主稜線最北端の“朳差岳1,636m”の2座を悪天候の為残してきた
ので何時かお天気を見てそれぞれアタックしたいと思います!

おしまい

小国駅のクマ

2 件のコメント:

おぐに白い森 阿部 さんのコメント...

山下さん、飯豊山荘でフロントに居た阿部です。飯豊連峰縦走の記事、写真たっぷりで大変よかったです。
飯豊の山の大迫力伝わってきます。
もう一度女子高生の時代に戻れるなら、いい仲間と先生に囲まれて駆け巡ってみたいですよ。
どうか、体に気をつけてこれからもおいでください。お待ちしています。

エルブレス仙台×ゼビオ仙台アウトドアスタッフ さんのコメント...

安部さん、その節は大変お世話になりました!おかげ様で予定通り無事に仙台へ帰ることができ、充実した夏休みを過ごすことができました。終わりよければすべて良しということで、縦走前半戦の悪天候も飯豊山荘でのリラックスしたひと時で、良い経験、良い思い出になりました!紅葉のころ合い見て御礼も兼ねてお伺いしようかと思います。やっさん(佐藤さん)にもよろしくお伝えください!
山下